顔のたるみ改善に知っておきたいオートファジー活性化の鍵となる化粧品原料とは?
2016年に東工大の大隈良典栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞して以来、美容分野でも注目されるようになったのが、オートファジーです。オートファジーとは、細胞に備わっている「細胞内に存在するタンパク質を分解する仕組み」のことです。
オートファジーは、体内におけるタンパク質量や代謝の維持などに関わっていて、体の健康にとって欠かせない働きだと考えられています。しかし、その仕組みがなぜ美容分野でも注目されているのかというと、そのオートファジーの機能自体が、加齢や老化によって、衰えていってしまうためだからです。
オートファジーは、人間が元々持っている力であり、それをパワーアップしたり、分解力のスピードを上げたりすることではなく、加齢によって低下していくオートファジーの機能の衰えを「予防」又は「正常値に戻す」ような化粧品の活用が期待されていると言うことなのです。
今後、オートファジーが化粧品に活用されることが多くなった場合の、お肌に与える効果について、また、オートファジー化粧品を見つける目安となる良く利用される化粧品原料似ついて、まとめてみました。オートファジー化粧品を選ぶ場合の参考になればうれしいです。
オートファジーの仕組みを知って顔のたるみ改善、美容に役立てましょう
オートファジーは、体にとって必要不可欠である「タンパク質」のリサイクルに関わっていますので、まず、タンパク質について考えてみます。
人間にとって健康や美容を維持するために、タンパク質はとても大切であることは、一般的に知られていることです。例えば、ハリのあるお肌にとって大切なコラーゲンは、タンパク質です。また、髪の毛や爪、筋肉、内臓、ホルモン、酵素など生きる為に欠かせない構造や機能にタンパク質は深く関わっています。
その為、タンパク質が不足すると体には、以下のような様々な不調が生じる様になります。
- 肌荒れ
- ハゲ、薄毛
- 代謝の低下
- 倦怠感
- 免疫低下など
他にも、体に生じる不調を上げるとキリがありませんが、それだけ体にとって大切なものであり、不足すると大変なことになるというのを知っておくことは大切なことだと思います。では、人間が毎日、健康に生活するためには、どのくらいのタンパク質が必要なのでしょう。
大人が必要とするタンパク質は、1日200gと言われています。この200gのタンパク質は、毎日、体内で合成されているものなのです。この200gのタンパク質は、全てが食事から補われているものではないんです。一部は、食事から依存しつつ、ほとんどが既に体内に存在しているタンパク質をリサイクルすることで必要量を維持しているのです。
タンパク質は、アミノ酸の分子が何個もつながってできているものです。つまり、タンパク質の合成には、アミノ酸が必要不可欠なのです。体内には、いつでもタンパク質が作り出せるようにアミノ酸が準備されています。また、タンパク質不足にならないためにも、体内のタンパク質を分解して予備のアミノ酸が用意されているのです。
こうして、体に必要なアミノ酸は、一部は食事で補い、あとは体内のタンパク質を分解することで用意されているのです。体内では、タンパク質が「分解→合成→分解→合成・・・・」というリサイクルを繰り返し行われています。
こうしたタンパク質のリサイクルにおける中心的な役割を担っているのが「オートファジー」なのです。オートファジーは、簡単に言うと、「古いタンパク質を食べて分解する」という働きです。オートファジーは、健康や美容に欠かせない機能と言えるのです。
このオートファジーの機能が加齢とともに、低下するとタンパク質不足が生じ、上記であげた様な様々な症状が体内に生じる様になってしまいます。
つまり、オートファジーの機能を維持することができれば、様々な病気を予防することができたり、コラーゲン不足でお肌にハリがなくなったり、肌荒れが生じたり、シワやシミが生じることがなくなると言うことになるのです。
そのことにいち早く着目し、商品化したのが大手化粧品会社のポーラだったのです。ポーラは、ノーベル賞受賞で、オートファジーが話題になる前から、上記のことに着目し、「B.AグランラグセⅡ」を商品化しています。
顔のたるみ改善にオートファジー化粧品を選ぶ際に知っておきたい化粧品原料
上記でお伝えした通り、最初にオートファジー化粧品として話題になり、すでに販売していたのがポーラの「B.AグランラグセⅡ」です。このサイトでも、記事として取り上げています。その後は、オートファジーを活性化する化粧品原料として様々なものが研究開発され、利用されるようになっています。
それらを以下にまとめてみました。化粧品を選ぶ際の参考になればうれしいと思います。
ポーラの「B.AグランラグセⅡ」に配合されている「アマチャエキス」
アマチャエキスは、ユキノシタ科の植物で、アマチャの葉や枝先から抽出したエキスやそのエキスを乾燥させて粉末にしたものがあります。
保湿効果
柔軟効果
消炎効果
などにも期待でき、肌を乾燥から守る作用があります。ポーラ化粧品以外でも、クリームや乳液、美容液などに利用されている場合があります。例えば、このサイトでも記事として紹介したCPコスメティクスの化粧品にも利用されている原料です。
植物から抽出されているものだけに、安心できる化粧品原料と考えられます。
マキアレイベルの「エクストラリセットクリーム」に配合されている「レグセンス」
レグセンスは、スペイン・ナバラ産のホワイトアスパラガスから抽出したエキスのことです。このレグセンスは、スペインのナバラ産のものでしかオートファジーの活性化が認められないということです。研究では、60歳代の女性が20歳代の女性と同等のオートファジー機能を発揮したと言うことが確認されています。
また、コラーゲンの密度の増加と真皮の厚さの増加も認められたと言うことで、肌に現れる老化のサインの減少が実証されたという頼もしい成分なのです。
レグセンスが配合されているマキアレイベルの「エクストラリセットクリーム」については、以下の記事を参考にして下さい。
サラヴィオ中央研究所の「サラヴィオ美容液」に配合されている「温泉酵素発酵コラーゲン」
温泉酵素発酵コラーゲンとは、コラーゲンを温泉酵素で発酵させたところコラーゲン分子が小さくなり、オートファジーを活性化する働きが確認されたという成分です。オートファジーの活性化の他には、ターンオーバーの正常化や線維芽細胞増殖の働きもあると言うことで、年齢を重ねたお肌に対し、効果的に作用してくれる期待が高まる成分です。
CPコスメティクスの「ソワ―ニュホワイトシフト」に配合されている「セルファジー」
セルファジーは、酵母由来の成分であり、αグルカンが豊富に含まれ、世界で注目されているオートファジーの研究から生まれたハリ、ツヤ成分と言われています。オートファジー活性化には、αグルカンが鍵を握るようで、αグルカンが多く含まれているとオートファジーが活性化すると言われています。
CPコスメティクスの「ソワ―ニュホワイトシフト」は、上記でもお伝えしていますが、アマチャエキスなども配合しているアイテムがあり、化粧品をライン使いすることで、効率良くオートファジーを活性化するように構成されています。
その他にもオートファジーを活性化する化粧品原料は、まだまだあります。上記以外で、更に、もっと知りたいと言う方は、ネットで検索すると調べることができると思います。ところで、ここまでで、オートファジーのことを伝えて感じたのですが、オートファジーを取り入れた化粧品は、決して、オートファジーを高めるためのものではないと言うことです。
加齢で機能が低下してしまうオートファジーの機能を維持するための方法としてオートファジーの化粧品があると考えられます。その為、今後考えられる化粧品としては、オートファジーの機能を維持しつつ、細胞からも若返ることができる化粧品が理想的な化粧品であり、そういう化粧品が誕生してほしいと考えます。
きっと、研究開発が進むにつれ、そういう化粧品がいずれ誕生するのではないかと期待が膨らみます。