顔のたるみ改善に効果がある臍帯血再生因子とは

最近、臍帯血再生因子治療と言うのを良く聞きませんか？美容効果には非常に優れているとか、特に顔のたるみに効果があるとか、などが言われています。さて、その臍帯血再生因子とは何なのでしょうか？実際、効果があるものなのでしょうか？まとめてみました。

臍帯血と言うのは、最近、様々な医療業界で関心が持たれ、利用されているようです。臍帯血とは、妊娠時に、お腹の中の赤ちゃんが、お母さんから酸素や栄養分を得るためのへその緒の中を流れる血液のことです。

 

この臍帯血は、お母さんとは全く別の血液で、赤ちゃんの血液が流れています。 この注目されている臍帯血には、驚くほどのパワーが秘められいて、さまざまな治療に用いられています。

 

臍帯血の特徴は、臍帯血の中には「幹細胞」が多く含まれているという点です。 幹細胞とは、体のさまざまな細胞のもととなる細胞のことです。臍帯血幹細胞は、他の幹細胞（骨髄幹細胞、造血幹細胞など）と比べ特定の機能に特化していない状態のため、増殖しやすく、少量でも高い効果が期待されています。

 

しかし、臍帯血は胎盤やへその緒に残る胎児の血液のため、採取できるタイミングは、分娩後の胎盤排出時のみです。 また、分娩後の胎盤に残っている臍帯血の量は40～100mlと極めて少量のため、治療に十分な量を採取することはとても困難で、医療機関との協力体制が重要となってきます。

 

美容分野で言われている臍帯血再生因子による美肌再生医療と言うのは、臍帯血から幹細胞を取り出し、培養、遠心分離処理により得た上澄み液（培養上清液）を使います。これを臍帯血幹細胞培養上清液と言います。この臍帯血幹細胞培養上清液には、細胞の増殖や分化を調整するタンパク質サイトカインが多く含まれ、損傷を受けた細胞や組織の機能回復を促します。

 

サイトカインの働きにより、紫外線のダメージや老化などにより衰えた肌細胞が回復することに着目したのが臍帯血美肌再生医療なのです。

臍帯血再生因子には、臍帯血幹細胞を培養中に生成、分泌されるタンパク質（IGF-1、IGF-2 、IGFBP、MCP-1、などなど150種以上の再生因子）が高濃度で含まれています。これらが皮膚や他の組織を再生させる因子として働き、優れた効果をもたらしてくれます。

 

IGF-1（インスリン様成長因子1）	皮膚の再生を促し、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を増加させる作用があります。毛根を強くする働きもある為、薄毛治療にも用いられます。
IGF-2（インスリン様成長因子2）	IGF-1が皮膚の再生を促進するのに対して、IGF-2は、成長、修復に関わり、筋肉の改善や骨密度の増加を助ける働きがあります。
IGFBP（インスリン様成長因子タンパク質）	IGFの活性を制御する働きがあります。細胞の成長を促し、新しい皮膚細胞創生などの作用があります。
MCP-1（探求走化活性因子）	マクロファージ（免疫機能）を活性化し、老化した細胞や異物、過剰生成メラニン色素を除去する作用があります。
IL-8（インターロイキンファミリー）	マクロファージを活性化し、表皮細胞の増殖、抗炎症作用による創傷治療効果を上げる作用があります。
M-CSF（マクロファージ刺激因子）	細胞の増殖、分化、活性化に必要なサイトカインです。

美肌再生のための治療で使用される臍帯血幹細胞培養上清液を注入する方法には、いくつかの方法があります。以下に簡単に紹介しますので、施術前のカウンセリング時に、確認することをおすすめします。

 

 

オスモインジェクターは薬剤を入れる容器部分と針が一体となった構造です。容器に、注入したい薬剤を入れて、注入部位に押し付けることで針先から薬剤が真皮内に注入される仕組みです。

 

オスモインジェクターによる注入方法では、本体は買い取りになることが多い様です。施術費用とは別に費用が発生するわけです。又は、施術料金に含まれているクリニックもあるので確認することが大切になります。

 

 

水光注射（ダーマシャイン）は、オスモインジェクターと同じ様な施術専用の機械を用いて、より効率よく施術を行うことができると言われています。

 

 

フラクショナルCO2レーザーは、皮膚に対し、レーザーを点状に照射して、皮膚に無数の小さな穴を開けます。皮膚に熱エネルギーを与えながら肌の再生を行います。 臍帯血再生因子治療では、レーザー照射後に穴が開けられた皮膚表面に薬剤を塗布します。

 

レーザー照射によるエイジングケア効果と、再生因子によるエイジングケア効果の両方が期待できます。

 

 

ダーマローラーは、表面に針が付いたローラーを肌の上で転がしあらかじめ皮膚表面に傷を付け、目的とする薬剤を塗布する方法です。

 

臍帯血幹細胞培養上清液を利用した美肌再生治療は、一般的には、即効的な効果はなく、施術を何回か重ねて受けることで美容効果が得られるという治療だと言われていっます。

 

その一方で、1回の施術費用が高めに設定されている点から、誰でも気楽に治療を受けられると言うことが難しいようです。施術費用は、クリニックにより異なりますが、1回100,000円～というのが一般的のようです。

 

例えば、1クール4回の施術を設定した場合には、40万円ほどかかることになります。施術後のダウンタイムは、注入した部位に赤みを持つ場合がありますが、多くの場合は、24時間以内に解決することがほとんどだといいます。

 

また、施術を受ける際に、注意が必要だと言われる方は、以下の通りです。

 

• アレルギー体質の方
• 悪性腫瘍の治療中の方また、その既往歴のある方
• ケロイド体質の方

 

臍帯血再生因子療法は、その他の肌トラブルの他に、傷後、ニキビ跡、妊娠線にまで効果が期待できるようです。臍帯血再生因子療法は、まだ始まったばかりの治療法ですが、医療業界でも、美容業界でも注目されている治療法です。今後の更なる進化に期待が膨らみます。